何を食べるかよりも大切な事

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子供を産んでからというもの、

食べ物に対して、物凄く神経質になっていた。

砂糖、添加物、農薬、放射能。

毎日、SNSを覗けば、それらに対する、

新しい記事が何かしらあり、

加えて遺伝子組み換え。

今まで、さほど気をつけて来なかっただけに、

色々知った時の衝撃も大きく、

子供には、絶対、変なものは食べさせまい、と思って育てていた。

そんなある日の事。

子供イコールお菓子という図式で、

子供を連れていると、よくお菓子を貰う。

息子が本当に小さい頃は、

お礼を言って、私が隠してあげなかったりもした。

でも、もう、そうもいかない年齢。

好奇心も旺盛、駄目と言えばやりたい年齢。

そんな時期に来て、いつものように、

おじいさんが、私達親子を河原で見かけて、

ニコニコして、家から、あるものを取って戻って来た。

それは、某悪名高き有名メーカーの、

レーズンが入ったスティックパンだった。

私は、心の中でウワーと叫んだ。

息子が、『レーズン!』と、嬉しそうに言った。

砂糖の代わりに、お菓子作りの際に

オイルコートなしのレーズンを、

うちでは良く使うので、

彼は好物だったのだ。

おじいさんは笑顔で、息子が食べるのを待っている。

私が、あーーと思っていると、

『カッカ、パン、くれたよ。嬉しいね!』

と息子が言った。

私は、ハッとした。

そうだ、嬉しい、有難い事だ。

それなのに、私ときたら、

食に気をつけるあまり、

これには何が入っているから悪い、とか、

そんな事の方が頭を占めてしまっていたのだ。

『お母さんの分もあるで』

私にも差し出された。

『ありがとうございます。』

私は食べた。息子も食べた。

おじいさんも食べた。

『美味しいね。』息子が言った。

『美味しいね。』おじいさんが言った。

この時、とても救われた。

良く知らない人とですら、

笑顔で、美味しいという気持ちを

共有する事の素晴らしを思い出したからだ。

それ以降、食の事を、緩やかに捉える事が出来るようになった。

人と楽しく食べる事に勝る、

身体に良い食事なんかないんじゃないのか?

確かに避けた方が良いものは多く、

普段は気をつける事も大事だと思う。

それでも、真に大切な事は、それではないと思った。

食の知識がついて、

コンビニのものを平気で子供に与える親とかに、

心の中に蔑むような気持ちがあった。

そんな心の有り様の方が、不健康だ。

今は、そう思う。

当たり前に野菜作りをするような田舎に、

今、暮らしている。

おばあさんの一人暮らしが多く、

半ば楽しみで沢山野菜を作っているので、

食べきれない、とよく貰う。

私が、『今日の白菜は、~さんが作った白菜だからね。』とか言うと、

息子は、食事の際に、

普段は、さして興味を示さないような野菜にも、

愛情が湧くのだろう、よく食べる。

そういう事が、大切なんだよな、と

子育てしていて、改めて気付くのだ。

絵&執筆 島貫めぐみ


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