桜の季節。ココロ軽やか春うららですね。
わたしが住む仙台でも桜が咲きはじめています。
桜が咲くのを毎年楽しみに楽しみに春を待つわたしたち日本人には
桜の美しさを感じるようにと遺伝子に
書き込まれているのではないかと思うくらい
桜をこよなく愛おしんでいますね。
古来より日本人は、自然の恵みとその驚異のなかで
農耕文化を育んできました。
桜の花が咲きはじめる頃に、田の仕事がはじまり
秋の実りが豊作であるように桜の木に宿る神様に祈願します。
お花見は、花の咲き具合を見て秋の実りを占い
豊作であるよう桜の木に供え物をして
神様と一緒に楽しむ宴をしたのが由来とのこと。
神様と一緒に宴を楽しむ。なんと愛らしい響きなのでしょう。
神様も願いを叶えたくなりますねきっと。
時代と共に、花見の意味合いは移り変わってきましたが
桜は「こうありたい」と願う日本人のココロを
映し出しているのでしょう。
桜に、わたしたちが美しいと感じる生き様を
重ねて見ているような。
その力強い生命力と対極にあるはかなさに誰もがココロ奪われ
一気に咲いて美しいままで散っていく
桜の情熱的で潔く凛としている姿に
特に女性の誰もが追い求め憧れる生き方。
桜に限らず、春の花には何かしらの濃く深い
エネルギーが満ちています。
花やの頃は、毎年ある時機が到来すると決まって
春の花のエネルギーに圧倒されていたものです。
春が来た。と感じる瞬間。
寒い冬を過ごし今か今かとおもいを凝縮させて花を咲かせるからか
そのうれしさのあまりあふれだす目には見えない愛を結ぶエネルギー。
ところで。今や国民的行事でもある花見の桜のほとんどが
ソメイヨシノですが、
そのほとんどがクローンだということをご存知でしょうか?
『ソメイヨシノ(染井吉野)とはそれぞれ日本原産種のエドヒガン系の桜と
オオシマザクラの交配で生まれたと考えられる日本産の園芸品種である。
ソメイヨシノはほぼ全てクローンである。
日本では明治の中頃より、サクラの中で圧倒的に多く植えられた品種であり
今日では、メディアなどで「桜が開花した」というときの「桜」は
ソメイヨシノ(の中の、気象台が定めるなどした特定の株)を意味するなど
現代の観賞用のサクラの代表種である。』ウィキペディアより抜粋。
最初はたった1本の桜からはじまったと言われるソメイヨシノが
日本の春をこんなにもにぎわしているのですから不思議なものです。
そしてそれらはすべてクローンという驚きの真実。
クローンなるがゆえに遺伝子が同じ
条件が整えば、一斉に咲き一斉に花を散らす。
それが更にひとを惹きつけていることになるのですが
特定の病気に掛かりやすく環境の変化に弱いという
大きな弱点と背中合わせ。
寿命が60年とも言われていますね。
自然の桜は といえば、一般的には山桜で200年から300年
最も長生きすると言われている江戸彼岸桜で500年以上!
日本で一番古い桜は樹齢1800年!
山梨県にある実相寺の境内に咲く、山高神代桜。
写真で見ても、圧倒される幽玄なオーラをまとっていました。
ひとがつくりだすもの、自然がつくりだすもの、
それらはあまりにもかけ離れて相容れない距離がありますね。
その距離は決して「間」ではない。ブラックホール並みの穴、、、、?
これからわたしたちにできることは
誰にでもできる
とてもシンプルでとても大切なこと。
自然に学び、自然を敬い、自然に委ねる。
抗わず、感謝し、信じ、愛する。
コントロールすることなく調和のバランスを感じ
依存することなく共に生きる完璧なタイミングを知り
この世界の一部として全体として
生きていく。
桜の季節におもうのは
わたしの内なる美しいものたちと確認し合えた
唯一無二の真理。
写真&執筆 村上志乃